日々是雑記。

(安岡章太郎のエッセイ。ふいに時計を眺めると中央線の最終電車まであと僅か。外からは電車の音が響いてくる。) 反射的に私は立って、別れの挨拶を述べた。 すると井伏さんが一瞬、不意に引き締まり、きわめて素っ気ない口調で、「あ、そう。君は家へ帰りますか。じゃ、僕はここで失敬」と、酒を満たしたガラスのコップに目を落としたまま言われた。 室井「あっ、ホントに! そっかぁ~」 と、手を出されて握手。 「頑張って下さい。」 室井「あら、一緒に写真撮らない?」 「あっ、いや、いいです。」 室井「・・・あらそうですか。」 この時の室井滋が私に送った「寂しそう+なんだヨ!」とでも言いたそうな目線と「・・・あらそうですか。」という言葉。そして、井伏の「あ、そう。」  どう、似てない?